【書籍紹介】『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』(安田浩一/講談社/1785円)
在特会とは「在日特権を許さない市民の会」。差別的な言葉で在日外国人らを罵り示威行動に出る集団だ。もとはネット上の仲間が集まったものだが、その内実を知ろうと、著者がリーダーの生い立ちから会員の本音、集会現場などを追い続ける。そして最後にいう。〈礼儀正しい若者の心のなかに潜む小さな憎悪が、在特会をつくりあげ、そして育てている。街頭で叫んでいる連中は、その上澄みにすぎない〉。日本の今を表わすルポ。
※週刊ポスト2012年6月8日号