「きんは100シャア、ぎんも100シャア」。そんな名セリフで日本中を沸かせた双子の100才、きんさんぎんさん。あれから20年が経ち、ぎんさんの4人の娘たちもいまや平均年齢93才、母親譲りのご長寿だ。長寿の秘訣は特製サラダにもあるようだ。
長女の年子さんは、野菜が苦手だ。にんじん、かぼちゃ、大根、ほうれん草にじゃがいも、玉ねぎ…、とにかく野菜ときたら、食欲が半減してしまうのだそうな。
百合子さん(四女・91才):「私ら大きゅうなるまで、うちは農家だったで、野菜しかなかっただがね。それなのに、あんねぇは野菜嫌いでしょ。よく、ここまで長生きできたと思うよ。珍しいちゅうか、奇跡だがね(笑い)」
年子さん(長女・98才):「若いときはおっかさんにやんやと怒られるだで、仕方なく食べたけど、野菜は青くさいでどうにも好きになれん」
10年ほど前から年子さんは千多代さんの家で同居することになった。その千多代さんは、姉の野菜嫌いにほとほと手を焼いているが、ふたりで毎食いただくのが特製の「千多代サラダ」。
これはレタスにきゅうり、そして細かく刻んだりんごと干しぶどうを混ぜ合わせ、ごまだれのドレッシングをかけてでき上がりという、シンプルな野菜サラダだ。
千多代さん(三女・94才):「これはね、7、8年ほど前から、ずーっと食べ続けてるよ。何があろうと、一日三食、毎回必ず食べるだが。あんねぇと暮らすようになってずいぶんになるが、野菜嫌いのあんねぇも、“これは、絶対に体にいい”って私がいうもんだで、いまはにゃあ、薬だと思うて食べるようになっただが」
年子さん:「いんやあ、自分でもな、なんか千多代の手品にかかったみたいで、このサラダだけは食べられるがね。あと2年で100シャアになるだが、なんだか顔の張りもようなって、血のめぐりもようなった気がする(笑い)」
このサラダに使われているレタス、きゅうり、りんご、そして干しぶどうは、すべてカリウムの多い食材。カリウムの摂取は、血圧の調整に欠かせないもので、正常な血圧を保つために、とても有効だという。
野菜嫌いの姉が食するようになったこの“千多代サラダ”を、いまでは、百合子さんも美根代さんも、献立の1品に加えるようになった。
※女性セブン2012年6月14日号