新潟のホワイトハンズという非営利組織が、性交経験のない男女を集め、2泊3日でセックス実習を行なうという仰天プラン(成人合宿)をぶち上げたのは、1年前のことだった。
代表の坂爪真吾氏は、東京大学の上野千鶴子ゼミ出身。大学卒業後、性サービスを行なう場所が「風俗」しかないことに疑問を抱き、障害者への射精介助サービスを開始した。さらに近年、セックスを経験していない若者が増えている状況を踏まえ、彼らが「性」に触れ、一人前の大人として自信を持てるようにと計画したのが、前述の「童貞・処女卒業合宿」ともいうべきプランだった。ところが、発表直後からネット上などで批判が噴出。警察が介入する事態にもなり無期限延期に追い込まれた。
それから1年。坂爪氏は、日本の性に革命を起こそうと行動する自らの奮闘記を綴った『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』(小学館101新書)を上梓するとともに、新プランを発表した。坂爪氏が語る。
「前回の成人合宿は性行為を前面に押し出した結果、バッシングや誤解を受け、無期限延期にせざるを得ませんでした。そこで今回は、前の反省を生かし、多人数による合宿形式ではなく2人だけのカップル形式に変えました。さらに性行為をメインではなく、男女の交際や関係性の構築をメインに、結果として性行為が付いてくるようにしました」
それが「契約婚」だ。応募してきた男女をくじ引きでペアにする。そして、相手と3か月の交際契約を結び、デートなどを重ねることで男女交際や共同生活のスキルを磨くことを目的とする。参加資格は、大卒以上の22~35歳までで、定職に就いている者。現在交際相手がいない人に限られるが、性体験の有無は不問。
すでに男性が数人応募してきているという。
※週刊ポスト2012年6月15日号