ここにきて、再び関東地方に地震が相次いでいる。前後して、気象庁が関東周辺で地震活動が活発化していることを発表したこともあって、不気味な思いでいる人も多いはず。しかし、驚愕のデータはこれだけではない。首都直下型とは異なる巨大地震の可能性が高まっている。
5月28日の午前1時34分と6月1日の午後5時48分に関東地方で発生した2つの震度4の地震。震源はそれぞれ千葉県北西部、茨城県南部だった。東日本大震災の震源地である宮城県沖から離れた場所ではあるが、2つの震源には共通点がある。 5月30日、気象庁は地震予知連絡会で、地震活動が活発化しているとして、以下の地域を挙げた。深さ30kmまでが、千葉県銚子付近、福島と茨城県境付近、栃木と群馬県境付近、さらにそれより深いところでは茨城県南部。
前出の2つの地震はまさにこの地域で発生しているのだ。武蔵野学院大学・島村英紀特任教授は説明する。
「3・11以降、日本中で発生した数え切れない地震のほとんどが、あの大震災を引き起こした震源地から近い場所か、内陸部で地震が活発化したものでした。しかし、あれから1年が過ぎ、震源地のデータをみると、千葉の銚子、茨城・福島の県境などに震源地が集中しているんです。つまり、東日本大震災から1年以上が経ち、多くの場所で地震の発生頻度が下がるなか、これらの地域ではそれとは真逆の異常な状態が続いているんです。
地震が頻発するこのふたつの地域は、太平洋プレートとフィリピン海プレートにはさまれています。つまり、プレートの影響を強く受けやすい場所なんです。3・11で、日本列島が太平洋側に大きくずれてしまったことで、ひずみが集中してしまったんでしょう」
それとは別に、危惧されるのが千葉・房総半島南方沖の大地震の可能性だ。この場所には北米プレートとフィリピン海プレートの境界である相模トラフが走っている。
ここを震源とする大規模な地震が1703年に発生している。元禄関東地震だ。この地震では死者が約1万人出ている。
「現在、房総半島の先端が年間3cmほど北に移動しているんです。つまり南側の海のフィリピン海プレートが、列島がのっている北米プレートを北に強く押しこんでいる状況にあるんです。元禄関東地震もそうだったんですが、ここで地震が起きればM8級にもなるといわれています。人口は当時に比べてはるかに多いため、被害は元禄の10倍から20倍以上になるかもしれません」(前出・島村特任教授)
※女性セブン2012年6月21日号