いま未成年者によるスマホ&ケータイの高額請求トラブルが急増している。国民生活センターによると、オンラインゲームに関する苦情や相談件数は1437件(2009年)、2043件(2010年)、3488件(2011年)と増加の一途をたどっており、うち未成年によるものは2割という。
「2年前、中3の娘がケータイゲームで無料の釣りゲームをやりたいというので、許可したんです。早くレベルアップできるということで、釣り竿などの有料アイテムをどんどん購入して、空き時間はずっと遊んでいた様子でした。
アイテムの料金はもちろんですが、パケット代がかさみにかさんで12万円の請求に。当時、私は定額でパケット使い放題にできるサービスがあることも知りませんでした」(30代・女性)
ネット取引の消費者相談をしている団体、ECネットワーク理事の原田由里さんによれば、ケータイゲームによる高額請求被害相談は、すでに3年ほど前から多く寄せられていた。
「当時は10万円未満でしたが、最近はとみに高額化しています。具体例を挙げると、高校2年生が2か月で400万円、中学2年生が1か月で170万円、小学6年生が1日40万円、1か月で100万円使い込んだ事例もありました」
にわかには信じがたい金額だが、これはいずれも“コンプリートガチャ(コンプガチャ)”といわれるゲームのシステムにお金をつぎ込んだ結果だという。
前出の400万円を使い込んだ高校生は、2種類の“コンプガチャ”ゲームに登録し、そのどちらにも多額なお金をつぎ込んでいた。購入するときは53才と年齢を偽り、親のクレジットカードを複数使っていたという。
このような事態を重く見た消費者庁は、7月1日から景品表示法の運用基準を改正し、コンプガチャを行政処分の対象とすることを発表。急成長を遂げていたGREEやモバゲーなど各ゲームも、5月には自主的廃止を決定、先手を打った。しかし、
「コンプガチャが全廃されたとしても、使い込みがなくなるかというと決してそうではないと思います。ゲーム内で通用する仮想硬貨をクレジットカード決済などによって購入し、アイテムを売買するゲームは他にもたくさんあります。レアなアイテムを手に入れるためには、多くの仮想硬貨が必要で、それを購入するためには本物のお金が必要になるわけです。
また、従来のケータイ端末の場合は、電話会社(キャリア)が回収代行する“キャリア課金”で、上限金額が決められていました。しかし、スマホでゲームやアイテムを購入する場合は“クレジットカード課金”になります。親のクレジットカードを勝手に使用した場合など、カードの限度額まで使える“青天井”になってしまっていることが往々にしてあるのです」(原田さん)
※女性セブン2012年6月28日号