超就職氷河期が若者を襲っているといわれて久しい昨今。『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が就活と脳の関係について解説する。
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最近の若者を見ていると、「甘すぎる」と思うことがしばしばあります。こんないい方をすると「そんなことはない。ぼくは何十社も受けている」「2年続けて頑張って就活している」などの反論が返ってくるのでしょう。が、私がここでいちばん問題にしたいのは、就職する前に皆が長い期間かけて行ってきたはずの「学業」についてです。
「現代日本になぜ義務教育があるのか?」「専門学校や短大、大学がなぜあるのか?」
この答えは、社会的・国家的には「人材の育成」のためですが、個々人の観点からみれば、現代日本でリソースを得て結婚し、子育てをするという知識+経験と、能力を育成するためです。
高校や大学の卒業時点までには就職できる能力を充分に培うべきですし、国もそうした教育をしています。また、保護者の多くのかたがたもそう認識しているはずです。
つまり、こと日本において高等教育を全うした者であれば、就職に必要な知識は皆、それなりに得ているはずなのです。ところが現実は、就職に成功する若者とそうではない若者がいます。その違いはどこから来るのでしょうか?
理論的には仮説化できる問題なので、私自身で少々調べたことがあります。その結果わかったことは、「地頭(専門的にはワーキングメモリや実行機能)」の良し悪しが根本要因でした。いうまでもなく地頭とは、専門的知識以前の、社会にうまく順応していく能力のこと。
就職ができないとか、仕事やリソースが不本意だとか嘆いている若者は、就職するまでにその地頭を磨くことを怠っていたと考えられます。
幸いなことに地頭は20代前半まではまだ向上可能です。その具体的な方法の最も基本になるのは、運動です。週に1~2時間、ランニングやダンスなど激しめの有酸素運動をしてください。
※女性セブン2012年6月28日号