国内

カタール企業に発電させれば日本の電気料金は激安にと大前氏

 東電国有化が実現すれば、国民は東電の損害賠償を電気料金の値上げによって負担させられるか、さもなければ税金で負担させられることになる。だが、値下げする方法はある、と大前研一氏は指摘する。以下は、大前氏の解説だ。

 * * *
 政府は7月に東電に1兆円出資して株主総会の議決権の50%超を握り、東電を「実質国有化」することになった。

 東電国有化は、どう転んでも国民の負担が増える仕組みになっている。国民は東電の損害賠償を電気料金の値上げによって負担させられるか、さもなければ税金で負担させられるのだ。これぞ野田内閣の「社会保障と税の一体改革」ならぬ“社会負担と税の一体改革”にほかならない。

 しかも、さらなる電気料金の値上げ要因がある。太陽光発電など再生可能エネルギーのフィードイン・タリフ(固定価格買取制度)だ。その価格が1kWh当たり40円くらいとすれば、現在の発電コストの10円未満に比べて4倍になる。

 それを電力会社に買い取り義務があるという制度を作ってしまったので、今後、電気料金は自動的に値上がりする。

 一方、値下げする方法は何かといえば、電力会社の大幅なリストラ、そして再生可能エネルギー以外の参入の自由化だ。たとえば、カタールなど資源国の巨大エネルギー会社による日本国内での発電を自由化すればよい。
 
 そうすれば、日本の電気料金は一気に安くなり、電力不足も解消される。しかし、そういう話はまだ議題にも上っていない。

※週刊ポスト2012年6月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン