このところ視聴率が低迷しているフジテレビ。昨年、7年にわたって守ってきた視聴率三冠王(全日、ゴールデン、プライム)の座を日本テレビに明け渡している。今年4月、5月はテレビ朝日が絶好調で、フジテレビは年間2位も怪しくなってきた。
低迷の理由について、昨年の地デジ化に伴い新聞などのテレビ欄のフジテレビの位置が真ん中から右端に移ってしまったからとの声もあるが、こうしたテレビ欄上の並び順が、視聴者の番組選びに影響を与えることはあるのだろうか?
心理学者でテレビ文化に詳しい駒沢女子大学教授の富田隆氏はこういう。
「人の視線はまず左に誘導される傾向があるので、テレビ欄では左端がもっとも有利です。つまり、左端にあるNHKがもっともいい位置にあるといえます。ほかに、人の視線がいきやすい位置としては、真ん中と、右端があります。右端のフジテレビも、決して悪い位置とはいえないのです。
また、テレビ本体で見る電子番組ガイドは、テレビ局の並び順が地デジ化後も変わっていないものが多いです。こうした電子番組ガイドを利用して番組を選んでいる人も多いですよね。つまり、新聞などのテレビ欄上の並び順が変わったというだけで、それほど視聴率に影響を与えているとはちょっと考えにくいのです」
やはり番組そのものの問題か。民放のテレビ局関係者がこう指摘する。
「フジテレビは、数字をとれなくなった『笑っていいとも!』をいつまでも続けていたり、『知りたがり!』など昼の情報番組強化で失敗したり、迷走が続いています。強みだったバラエティーも『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』などがあるテレ朝のような勢いはなく、テレビ関係者からも“内輪ウケが多くてついていけない”という声が出ています」
「楽しくなければテレビじゃない!」なんてもういってられない状況のようだ。