2005年に発生した耐震偽装事件では、建築士の姉歯秀次氏、マンション販売会社・ヒューザーの小嶋進氏などが連日マスコミに登場し、中でも小嶋氏をめぐる報道は過熱。電車で女性とキスする場面を写真週刊誌に撮られるなど、複数の愛人の存在まで取り沙汰された。当時の状況を、小嶋氏が振り返る。
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写真週刊誌の件はね、事件さなかのある日、ハンカチ入りの手紙が送られてきたんです。無視すべきなのに、つい返事を出してしまった。会ったら、彼女の親父さんが従軍記者だったからといって、こっちの味方するというんです。40歳前後ぐらいかな、小学校5年くらいの子供がいるともいっていた。
赤坂のホテルで食事して、そのまま帰ればよかったんだけど、カラオケボックスに行ったところを撮られて、電車で帰るところも撮られてたんだね。あとで弁護士には思い切りどやしつけられました。でも、会ったのはたったの1回きりですよ。その彼女からは、拘置所に下着が届いた。「私はあなたを嵌めたわけではない」というような手紙が届いたこともあったけど、それ以後、彼女には連絡していません。
当時はカネ持っていたから、次から次へとスタイルのいい女が出てくるわけよね。そうするときりがない。ありがたみがなくなってくる。カネがなければ出会うチャンスも限られてくるでしょ。口説き文句だって限られてくる。楽しめる範囲が決まっているほうが、かえってありがたみがあるわけですよ。ところが無尽蔵にきれいな人が現われて、カネが自由になってくると、決して愉快なものではなくなりますよ。
もう時効だからいっちゃうけど、銀座のクラブでカネを燃やしたことがあるよ(笑い)。結局、お前たちが欲しいのはカネかと。なんか悲しくなってしまってね、涙を流しながら、こんなにカネがあるからよくないんだと。嫌いなものは女、酒、カネといって、札にウィスキーかけて燃やした。もっともあれ以降は、女性たちもいなくなってしまったけどね。
※週刊ポスト2012年7月6日号