ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院の研究チームは6月18日、次のような趣旨の調査論文を米電子ジャーナル「BMCパブリック・ヘルス」に発表した。
「人類の肥満化がアメリカと同じペースで進行すれば、9億人以上に相当する食料需要が生じ、地球の食料資源に重大な脅威となる」
論文によれば、すべての国が米国並みの肥満者の割合になると仮定すると、平均体重(62キロ)の人に換算して世界の人口が9億3500万人増えることになり、それだけのエネルギー源が必要になるという。ちなみにアメリカでは成人の7割が日本の基準でいうところの「肥満」に該当する(日本では成人の3割)。
世界の肥満問題に詳しい大阪大学の池田新介教授は「食料市場が逼迫するほど肥満化が進む前に食料価格や医療費が高騰するので、単純に肥満が進むという前提には無理がある」と留保するが、肥満者が増えるのは地球にとって迷惑であるのは間違いない。
この大問題を“当事者”たちはどうとらえるのか。さっそく伊集院光、松村邦洋の両氏に取材を申し込むも、多忙で丁重に断わられた。内山信二氏は、「冬は暖房いらずで食べ物を残さないデブこそ地球にやさしいんです」と肥満を正当化した。
1年間で30キロ超の減量に成功した“元肥満”パパイヤ鈴木氏はどうか。
「昔は今の倍くらい食べてましたね。しかも夜中に飲み食いしてたから余計に体に悪かった。人類の脅威以前に、自分の命の脅威ですよ、肥満は。ダイエットのおかげで早寝早起きになったし、飲み代もかからない」
胃の縮小手術で最大303キロあった体重を150キロ以上落とし、いまも減量中のKONISHIKI氏は論文に納得いかないようだ。
「太っている人がいちばん食べるとは限らないからネ。太った人がホットドッグ早食いのチャンピオンになったの見たことないヨ!」
さらに現在の体重を尋ねると「それはプライバシー」と遮り、次第に不機嫌になって突然電話を切ったKONISHIKI氏。やはり“現役”の方にはデリケートなテーマだったようだ。
※週刊ポスト2012年7月6日号