サラリーマンに夏のボーナスの季節がやってきた。この不景気の中でも、たっぷりボーナスをもらっているのがテレビ業界の方々。国民のテレビ離れが加速するテレビ局では、相変わらず視聴率は低迷を続けるものの、ボーナスは気前がいい。
フジテレビは「前年同期と比べ1.8%アップの約140万円。昨年度、視聴率3冠の座から転落したため局内の雰囲気は悪いが、待遇がいいので誰も文句はいわない」(30代社員)。
視聴率万年4位のTBSでさえ、「40代後半で210万円程度もらえる」(50代管理職)という。テレビ朝日に至っては、「夏のボーナスは4月と6月に分けて支給されるが、40代前半の査定の優秀な社員で計290万円。これは昨年と同額」(40代社員)と破格である。
視聴率3冠に輝く日本テレビであれば、さらに驚く数字が出ると思いきや、「ボーナスは5月、8月、11月、2月の年4回に分けて支給されるシステム。1度に約30万円、合計で120万円にしかならない。以前なら3冠を獲れば全社員に数十万円の祝い金が出たが、今回は10万円にも満たなかった」(40代社員)そうだ。
氏家斉一郎・前会長時代に導入された人件費3割カットを謳う現行の給与システムの悲哀が伝わってくるが、大久保好男・社長は「社員の士気に悪影響を与えないよう改善していくと明言した」(同前)とされ、意気消沈はしていない模様。高額支給を支えるのは、実はテレビ事業ではなく各キー局が励む「副業」だ。前出のTBS社員が明かす。
「本業である放送収入は各局ともほぼ横ばいですが、通販や催事事業(イベントや公演)といったサイドビジネスが好調。うちでいえば、昨年、“お荷物”だった横浜ベイスターズを65億円で売り払い、年間150億円を稼ぐ不動産事業に益々寄りかかっている」
※週刊ポスト2012年7月13日号