長寿研究で名高い順天堂大学の白澤卓二教授は、介護を必要としていない元気な100歳を数多く診察し、長寿の要因を研究してきた。その結果、「百寿」を目指す上で最も重要なのは「食事」だと気づいた。何歳からでも遅くはない、今日から始められる、ボケないための食習慣を公開する。以下、【食べ方編】だ。
【腹八分目は間違っている】
昔から日本では「腹八分に医者要らず」といわれてきた。腹八分目は食べ過ぎよりはマシだが、MITのレオナルド・ガレンテ教授が発見した長寿遺伝子は、摂取カロリーが腹七分目、腹六分目のときに活性化するとされている。本当に健康長寿をもたらすのは「腹七分目」である。
【魚ばかり食べるのは×】
要介護の判定をする時、医師はタンパク質の一種であるアルブミンの血中濃度を指標にする。アルブミン濃度が低い場合、肝疾患や栄養失調も疑われる。アルブミンをとるには良質のタンパク質が必要で、魚だけではなく肉をとることも大事だ(ただし、脂肪は避けること)。だから、毎日の食事では、肉と魚を1日交代でとるのが理想的だ。
【1人メシは太る】
1人で寂しくサッと食事をとるよりも、家族や友人とおしゃべりしながら、楽しく食事をするほうが、消化を促進するということが医学的に確かめられている。20分以上かけてゆっくりと食事をし、よく噛むことも大事。歳とともに減る唾液の分泌量が増え、脳に刺激を与えてボケ防止にもなる。
※週刊ポスト2012年7月20・27日号