夏本番を前にして、男の美容がアツい――リクルートのビューティワールド総研が昨年末、25~49才の男性を対象に行った調査によると「普段から肌の調子を気にかけている」のは25~29才男子の17%、「窓ガラスやショーウインドーで自分の姿をチェックすることが多い」のは同18%で、いずれも全体平均の倍以上だった。若い世代においては、スキンケアやヘアケアなどが、女性同様“日常的”になっている男性が多いと同総研は分析している。
実際、男性用スキンケア商品の売り上げは増加の一途で、男性皮膚用化粧品の市場規模は2010年に194億円と、前年比33億円の増加だ(経済産業省調べ)。
こうした若者の「清潔男子」「綺麗男」ブームが、中高年男性にも波及し、美容への関心が高まっているとマーケティングライターの牛窪恵さんは分析する。
「多くの女性たちは最初、『男のくせに』と敬遠していたけれど、男性がケアすることで体臭や暑苦しさが防げるのはいいよね、という風にとらえ方が徐々に変化してきました。また、昔は年をとると外見への意識が薄れ、『若い男たちは、トイレの鏡の前から動かないから手が洗えない』などと嘆いていたおじさん世代の男性も、メタボ検診が始まって体形を気にし始めたうえ、女性たちの視線の変化にも気づき、美容に関心を持つようになってきたのです」
しかし、40代以上の女性100名にアンケートをとったところ、外見を気にする“綺麗男”に抵抗があると答えた人は75%。
「身だしなみは必要だが、やりすぎは気持ち悪い」(43才・主婦)
と、まだ抵抗感のある女性も少なくない。
※女性セブン2012年8月2日号