熟女AVの市場規模は50億円超に及び、AV全体の1割に迫ると考えられているが、近年、オーバー60歳の「超熟」組が業界を支えている現実もある。
「六十路の方が増えたのはこの3年ぐらい。旦那がいるいないにかかわらず、まだまだ女でいたいから応募してくるんです」(熟女専門のプロダクション社長Y氏)
各プロダクションはインターネットもしくはフリーペーパーで熟女を募集する。熟女を扱うプロダクションは大小合わせて200ぐらいあるという。
六十路物の老舗にして業界最古参のルビー。「母子物」が売りのセンタービレッジ──この2社が「超熟」ファンにはおなじみだ。
「60歳以上は容姿は問わない。年齢が貴重なんです。現役で稼働している女性は常に4~5人で、だいたい5~6本に出演して引退です」(ルビー広報の矢口氏)
六十路にこだわる理由はズバリ、売れるからである。
「ウチの場合、人気女優の風間ゆみ(33)の作品はドカンと売れても発売三か月で止まる。六十路の作品は演歌と同じで1年たっても売れ続け、最終的に人気の“若手”の数字を抜くんです。お客様はほぼ同年代の高齢の方です」(矢口氏)
ちなみに、母親もしくは祖母を思い出してか勃起しない男優が多く、彼女らの相手役は限られた数人になってしまうという。
●文・沢木毅彦(AVライター)
※週刊ポスト2012年8月3日号