「200mバタフライで金メダルを取る。それが僕の一番の仕事です」
4月の日本選手権で3度目の五輪出場を決めた直後、競泳代表『トビウオジャパン』の主将になった松田丈志(28)はロンドン五輪への決意をそう語った。
初参加17人を含む27人の精鋭で構成された今回のチームは、メダル数では北京五輪の5個(金2、銅3)を上回る8個を目指す。男子平泳ぎで3大会連続2冠への挑戦がかかった北島康介はもちろんだが、北京五輪で史上初の8冠を達成した“怪物”マイケル・フェルプスとの一騎打ちで、悲願の金メダル獲得を目指す松田の泳ぎにも期待が高まる。
アテネ五輪は14位に沈み、優勝したフェルプスと4秒09もの差があったが、昨年の世界水泳上海では150mで先頭に立ち、怪物にあと0.67秒差の2位に迫った。後半追い上げ型の松田が残り50メートルのスピードをどこまで磨けるか。今回の勝負はそこにかかっている。
「個人種目を200mバタフライ1本に集中すれば、ラスト50mのタイムをあと1秒は上げられる。何種目も泳ぐと力が分散してしまうので、(個人4種目に出場予定の)フェルプスにつけ入る隙があるとしたらそこでしょうね」(松田)
※週刊ポスト2012年8月3日号