トヨタ自動車は、2012年上半期の世界販売台数が2年ぶりに世界首位に返り咲いた。7月になってからはコンパクトな新型車2台を発売開始し、攻めの姿勢をみせている。いずれもクルマ離れといわれる時代に明るい話題として業界を牽引する、「プチバン」だ。
マーケティング調査会社のイードは調査結果から、少子化によるファミリー層の多人数乗車ニーズの減少や、長引く不況による「コストパフォーマンス意識」、「安近楽志向」の高まりといった時代潮流の影響により、“プチバン”が、今の時代に求められているカテゴリと分析していたが、夏休み時期に合わせ、改めて調査を実施。
調査によると、今年の夏休みに遊びに出かける予定では、最も多かったのが「クルマで国内旅行」(39.7%)。2位は「近場に遊びに行く」(26.6%)、3位には「特に遊びに行く予定はない」(20.6%)がランクイン。「電車で行く国内旅行」は5.9%にとどまり、「海外旅行」はわずか2.3%だったという。
ちなみに、“プチバン”意向者にこの夏(7~9月)の連続休暇日数を聞いたところ、1位は「4~5日」(29.8%)。2位は「2~3日」(23.3%)で、平均は4.6日、一人あたりの予算は、「1万円~3万円」が40.2%と最多で、平均では2.6万円とのこと。
大口のスライドドアや広い空間を持ちながら、車体はコンパクトなことが特徴の「プチバン」。各自動車メーカーがこぞって参入しているが、7月になり、満を持してトヨタが投入したプチバンは「ポルテ」と「スペイド」の2車種。カラー、シートタイプ、装飾を組み合わせ自由とすることで、ニーズに応じた仕様を選ぶことができる。また、ボディカラーも8色、インテリアカラーを2色用意したり、女性の声を反映し、収納にも気を配ったデザインになっているのも特徴だ。
下半期には7月下旬から8月半ばにはいよいよエコカー補助金が終了する。自動車販売の落ち込みが予想される中、トヨタが首位を保ち続けていられるかどうかの正念場である。