MLB、レイズの松井秀喜(38)は7月25日、戦力外通告を受けた。通告の直前、後半戦が始まった7月13日、ジャーナリストの出村義和氏が松井にインタビュー、今後の覚悟について聞いていた。
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――今季は浪人生活も経験した。野球を辞めようとは思わなかった?
「それはなかったですね。待つしかない。待つだけ待とうというのが率直な心境でしたね」
――それが実を結んでユニフォームを着たが、現在の厳しい状況を見れば戦力外通告を受ける可能性もある。
「それは仕方ないでしょう、実力の世界なんだから。生ぬるい世界じゃない。力のない者は去るしかないということです。でも、今年もシーズンが終わるまでしっかりやる。先のことはその時に考える。今日1日、1試合1試合、細かくいえば1球1球しか考えません」
――では、今やるべきだと考えていることは? 打って結果を出すこと?
「いいえ。打つことより、勝つこと。勝つためには何をするかですよ。自分はその中で何ができるか。それ以外にないですね」
――それでも難しい局面に立つことは十分に考えられる。その覚悟を最後に聞かせてほしい。
「そうなった時は……、自分が野球人として普通に対処するだけです。でもね、僕は大袈裟に考えてないんですよ。まァ、シーズンはまだまだ長いですから」
※週刊ポスト2012年8月10日号