家電量販店の再編により、売り上げ規模が拡大すれば、メーカーからの購入数量を増やして安く仕入れるという「スケールメリット」は当然大きくなる。
しかし、仕入れとは違う部分でのスケールメリットで業界1位のヤマダ電機(ベスト電機を買収)に勝負を仕掛けているのが現在業界4位のケーズデンキだ。
「ケーズはヤマダの郊外型店舗にぶつける形で、店舗面積が1.5倍から1.7倍もある店舗を出店している。売り場面積が広いと、品揃えがよくてそこに行けば探している商品が必ずあると客が思い込む効果が期待できる。ケーズ大規模郊外店はこの戦法で実際に近隣のヤマダ店舗に勝っている」(経営コンサルタントの山内修氏)
さらにケーズデンキが特徴的なのは、ポイント還元サービスを行なわず、徹底して現金による安売りで勝負している点だ。
「例えばヤマダの10%ポイント還元と、ケーズの現金値引き7%のどちらを客が選ぶか。いまはデフレの時代なので、ヤマダで10万円の商品を購入して1万円分のポイントをためるより、ケーズデンキで9万3000円で買うほうがいいと考える人も多い。それがケーズデンキの勢いにつながっている」(前出・山内氏)
※週刊ポスト2012年8月10日号