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生保会社 複雑な商品作るのは高いことわかりづらくするため

 マイホームに次ぐ高額商品といわれる生命保険。年間払い込み保険料は世帯平均で約50万円。30歳から60歳まで払い続けたら、なんと1500万円。そんな高額ならずプロに任せたほうが安心なのか。

 日本人は保険好きだ。世界人口の2%弱の日本人が支払っている生命保険料は世界シェアの約18%を占め、1人当たりの保険料は約3500ドルで世界トップである。

 にもかかわらず、日本人は保険が大の苦手だ。さて、あなたは自分が加入している生命保険の「保障内容」「保障額」「保障期間」など肝心の中身を正確に記憶しているだろうか? セールスレディのしつこい勧誘や、知り合いの営業マンとの“付き合い”で加入した人は、「商品名」「月々の保険料」、ひどい場合は「保険会社名」さえ覚えていないのが実情だろう。

 ベストセラー『生命保険の「罠」』(講談社刊)の著者で、「保険相談室」代表の後田亨(うしろだ・とおる)氏がこう指摘する。

「内容さえ覚えられない商品に高いお金を払わせ続けることこそ、保険会社の罠です。あえて素人では理解できない複雑な商品を設計することで、“高いことがわかりづらい商品”を売っている。終身保険に定期特約をてんこ盛りにするパッケージ商品にはそういう意図を感じる」

 大量のテレビCMで宣伝される商品はついつい加入者にとって得な保険だから人気の商品なんだと思ってしまう。だが生保は慈善事業をやっているわけではない。

「生保が売りたがるのは、会社にメリットが大きい保険です。少なくとも加入者にとっていいことずくめであるはずはない。例えば『持病がある人でも入れる保険』とは、あらかじめ高めに保険料が設定されているか、保険金の支払いが渋いか、あるいはその両方であることが容易に想像されます。保険料には大量のテレビCMなどの超高額な宣伝費も含まれていることを知っておいてください」(後田氏)

 保険のプロに任せる前に、本当に必要かどうか、自分の頭でまず吟味すべきなのだ。

※週刊ポスト2012年8月17・24日号

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