ロンドン五輪女子マラソンが行われた5日、男子マラソン代表候補として注目を集めた川内優輝選手(25才)は秋田県男鹿市にいた。この日開催された「第26回日本海メロンマラソン」ハーフ部門にゲストランナーとして出場。全力疾走のラストスパートで、見事先頭でゴールした。
冷たい雨が降ったロンドンとは違って、この日の男鹿市は最高気温30.3度の快晴。川内選手の全身からは汗が噴き出し、足元はフラついていたが、川内選手はゴール後も、自分の役割を演じきった。
埼玉県庁の職員である川内選手は「市民ランナーの星」として絶大な人気を誇る。瞬く間に人だかりができると、川内選手はその1人1人に頭を下げ、握手をし、笑顔を振りまいた。
「私も8月末の北海道マラソンに参加するんです」という女性ランナーには、「一緒に頑張りましょう」と声をかける。「次の五輪こそ、頑張ってください!」という高校生ランナーには、「頑張ります!」と力を込め、子供たちには中腰になって目線を合わせた。本誌記者が数えただけでも、川内選手が握手をした人は、実に472人! 川内選手はマラソンのモチベーションをこう語った。
「ぼくは旅行と走ることが趣味なので、こうやって世界中や日本中を遠征して、その土地のおいしいものを食べたり風景を見たりするのがいちばん楽しい。夏場は大会に出る他、涼しい森の中を走ったり、友人と合宿を組んだりして、月間600kmの走行距離が落ちないようにしています」
※女性セブン2012年8月23・30日号