今秋発売が噂されている高機能携帯電話の次世代機、「iPhone5」(アップル)だが、米の一部メディアが「米国での出荷開始は9月21日、その他の地域では10月5日」と伝えたために、発売を待ちわびる声が世界中に広まっている。
これまでバージョンアップの度にユーザーを驚かせる新機能の搭載やアプリなどをお披露目してきたiPhoneゆえに、今回もどんな“サプライズ”を用意しているのか興味津々なところ。
移動体通信ジャーナリストで武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授の木暮祐一氏に大胆予測してもらった。
まずは本体の形状について。IT専門サイトなどでは、画面の大きさが現行機種の「4S」(3.5インチ)より大きい4インチ型で縦長に、薄さは0.5ミリ薄くなる――と報じ、リーク画像らしきものも出回っているが、アップル社からの公式発表はない。
「アップルはこれまで手に馴染む操作性を最優先に考えてきたので、その方針は大きく変えることはないでしょう。無意味に幅を広げればかえって使いづらくなりますからね。だから、幅は広げずに液晶部分を最大限に大きくしてくるのだと思います」(木暮氏)
次に、木暮氏が挙げたのが、既にdocomoのスマホで採用されている第4世代と呼ばれる新しい通信方式(LTE)への対応である。
「auとソフトバンクもこのLTE方式を始めるという噂があり、その第一弾が『iPhone5』になる可能性があります。これまでのネットワークより通信速度が10倍速くなるため、より大容量のコンテンツが軽快に利用できるようになるでしょう。例えば、利用頻度の高いフェイスブック内では、画像のみならずビデオデータ(動画)を皆でサクサクと共有できます」
最後に、日本のiPhoneユーザーには嬉しい機能が初搭載される可能性もある。それが“おサイフケータイ”だ。
「日本でおサイフ機能といえば電子マネーでの決済など思い浮かべますが、世界では非接触ICカードの通信や機器間相互通信が可能なNFCと呼ばれる国際標準規格があります。iPhoneがこれに対応してくれば、おサイフケータイ代わりになるでしょうね」
ちなみにおサイフ機能と並び、日本ユーザーの“三種の神器”といわれるワンセグ機能は、新しいコンテンツやアプリなどの付帯サービスとして完備させるのではないか、と木暮氏は読んでいる。
iPhone5の全貌は、アップルが9月12日に行うメディアイベントで明らかになるとの見方が強い。秋には日本国内のスマホ販売競争はますます熾烈を極めそうだ。