国際情報

李明博氏の必死の反日行動 背景に歴代大統領の不幸な末路も

 島を強奪し、実効支配している側が、これでもかと繰り広げる韓国の必死のパフォーマンス。韓流スターたちが竹島を目指して遠泳するに至っては、はたから見ても滑稽だが、そうとばかりはいっていられない。韓国は実効支配を強固にすべく、竹島沖に海洋基地建設のプロジェクトを進めているのだ。

 昨年4月の建設開始直後に、朝鮮日報が報じた「独島総合海洋科学基地」の完成予想図によると、竹島沖1kmのところに、海上38m、3階建ての延べ面積2700平方mの建物を造り、気象や地震、津波を観測するための機器を設置する。ヘリポートも備え、ご丁寧にも、屋上の建物の屋根には韓国国旗の太極文様が描かれている。今月12日まで開かれていた麗水万博の韓国のテーマ館にも、この予想図と同じ基地の模型やスライドが展示されていた。

 基地内の構造は公表されていないが、過去に韓国が建設した同様の海洋基地を例にすると、人が長期間滞在できるように、食堂やトイレ、寝室などを配したものになりそうだ。事業費は430億ウォン(約30億円)。観測のためにこれだけの額を注ぎ込むと、日本ならば事業仕分けですぐ「廃止」の烙印を押されそうな代物だが、韓国には真の目的がある。

 竹島周辺域の海底には、次世代エネルギーとして注目のメタンハイドレートが埋蔵されている可能性があり、韓国の調査によるとその量は50年間分。また、水産資源も豊富で、韓国は竹島周辺で、年間11兆6000億ウォン(約8100億円)の経済効果を期待している。裏を返せば日本は、自国領土内にあるこれだけの資源を、手をこまねくだけでみすみす奪われようとしているのだ。

 今回の李大統領の竹島訪問に対し、日本側が国際司法裁判所への提訴を口にしたことで、慌てて基地建設見合わせを発表した。しかしこれもポーズだろう。完成予定の今年12月には、大統領選挙が行なわれ、任期1期の大統領は来年2月限り。内向きの理屈からすれば、海洋基地で最後に功績を残そうとしたといえる。

 さらに背景には、これまで韓国では朴正煕(暗殺)、全斗煥(逮捕)、盧泰愚(逮捕)、盧武鉉(収賄疑惑の捜査中に自殺)……と多くの大統領が退任後に不幸な末路を迎えたという事実がある。李大統領は既に深刻な支持率低下に悩まされ、今年7月には前国会議員の実兄があっせん収財の罪で逮捕された。側近からも逮捕者が出ており、すでに政権の体をなしていない。

 竹島上陸後の会見では、天皇訪韓の条件は「謝罪」とまで言い放った李大統領。これらは、引退後を見据えた文字通り“必死”のパフォーマンスなのだ。

※週刊ポスト2012年8月31日号

関連記事

トピックス

屋根工事の足場。普通に生活していると屋根の上は直接、見られない。リフォーム詐欺にとっても狙いめ(写真提供/イメージマート)
《摘発相次ぐリフォーム詐欺》「おたくの屋根、危険ですよ」 作業着姿の男がしつこく屋根のリフォームをすすめたが玄関で住人に会ったとたんに帰った理由
NEWSポストセブン
人が多く行き交うターミナル駅とその周辺は「ぶつかり男」が出現する(写真提供/イメージマート)
《生態に意外な変化》混雑した駅などに出没する「ぶつかり男」が減少? インバウンドの女性客にぶつかるも逆に詰め寄られ、あわあわしながら去っていく目撃談も
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
大の里、大谷
来場所綱取りの大関・大の里は「角界の大谷翔平」か やくみつる氏が説く「共通点は慎重で卒がないインタビュー。面白くないが、それでいい」
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
CM界でも特大ホームラン連発の大谷翔平
【CM界でも圧倒的な存在感の大谷翔平】「愛妻家」のイメージで安定感もアップ、家庭用品やベビー用品のCM出演にも期待
女性セブン
堀田陸容疑者(写真提供/うさぎ写真家uta)
《ウサギの島・虐殺公判》口に約7cmのハサミを挿入、「ポキ」と骨が折れる音も…25歳・虐待男のスマホに残っていた「残忍すぎる動画の中身」
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン