猛暑がつづくなか、ただ「暑い」と言っているだけでは芸がない!? 大人力コラムニスト石原壮一郎氏が「猛暑を逆手に取った、大人の残暑の乗り切り方」を伝授する。
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厳しい残暑が続いています。しかし、暑い暑いと言っていても、なおさらグッタリした気分になるだけ。大人の気合いで、暑さを逆手に取って楽しんでしまいましょう。
ニュースや天気予報では、暑い日になるとその日の最高気温を記録した場所を発表しています。元になっているのは、気象庁がHPなどで発表している「今日の全国観測値ランキング」。もちろん、誰でも見ることができます。
8月21日16時現在の発表によると、21日に全国でもっとも高い“日最高気温”を叩き出したのは、福島県福島(観測所、以下略)で37.6℃でした。以下、埼玉県鳩山、群馬県館林と続きます。20日のトップは鳥取県米子の36.4℃で、以下、兵庫県豊岡、群馬県館林の順でした。
ちなみに、この夏の最高記録は群馬県館林で7月17日に出た39.2℃です。今年は館林や伊勢崎といった群馬勢が頑張っていて、2007(平成19)年に観測史上最高の40.9℃を記録して話題になった埼玉県熊谷や岐阜県多治見は、いまひとつ出遅れています。多治見はかろうじて3位に食い込んでいますが、熊谷はトップ10圏外。
熊谷としては「あついぞ!熊谷」というキャッチフレーズで街をアピールしているだけに、このままでは終われません。残り少ない夏のあいだにいい記録が出るように、みんなで応援してあげましょう。遠くから応援するだけなら、自分が暑いわけではありません。
これまでの実績から見て「今日のトップ」を取れる可能性が高い観測所を擁している県は、福島、群馬、埼玉、岐阜、京都、兵庫、鳥取、福岡、大分あたり。これらの県に住んでいる人や出身の人は、今日は何位だったかをチェックして結果に一喜一憂することで、暑さを前向きにとらえられそうです。強豪とは言えない県の場合も、似たような実力の県にゆかりがある同僚や友人を見つけて、毎日「おっ、今日はウチの勝ちだな」「明日こそ見てろよ」といった熱い勝負を繰り広げれば、残暑で夏バテしてる場合じゃなくなります。
あるいは、同僚同士で「今日いちばん暑い街」や「3日以内に全国で39℃を超える場所があるかどうか」などを予想してみるのも一興。もちろんお金は賭けちゃいけませんけど、もちろんお金は賭けちゃいけませんけど(大切なことなので二度書きました)、勝った人がガリガリ君をおごってもらうぐらいだったら問題はないはずです。
あるいは、女性を口説くセリフに最高気温をさりげなく織り込むのも、季節感を感じさせる大人の粋な演出。「ボクの気持ちは、今日の館林のように熱く盛り上がってるんだ」「キミの瞳は、まるで熊谷に照り付ける太陽のようにボクの心を焦がしてしまう」なんてことをささやけば、どんな女性もきっとイチコロに違いありません。もし狙い通りの展開にならなかったとしても、夏のいい思い出にはなります。ぜひお試しください。