風水とは、成功のために必要な環境を整理する「統計的学問」。ビジネスマンこそ身につけたい風水の基本がある。風水建築デザイナーで由美里風水研究所代表の直居由美里氏が、家運を上げる風水術を伝授する。以下は「水回り編」だ。
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人間の営みの基本である食を司るキッチンは、風水の観点から見ると玄関並みに重要で、健康運や金運に大きな影響を与えます。いいキッチンの基本は清潔であること、換気が十分にできていることです。汚くて、風通しの悪いキッチンでは食材も長持ちせず、それが気の乱れを呼びます。
キッチンでは、コンロと水道の蛇口が比較的狭い空間に一緒に存在しています。しかし、火と水は、風水の土台となっている五行思想では相剋の関係にあり、その場のバランスを崩しやすい。そこでバランスを保つために、ちょっとしたインテリアを上手に利用することが大切です。例えば、水回りに白い陶器や植物や花を置くと、気を調節してくれます。また、コンロから出る火の気を中和してくれるキッチンマットも必ず置いて下さい。
生ゴミの扱いも大切です。風水では嫌な臭いも邪気と考えますので、三角コーナーやシンクに生ゴミを溜めるのは避けましょう。マメにふたのあるゴミ箱に移します。また、戸建て住宅の場合、家の南西に生ゴミを出すのは避けて下さい。日本の夏は南西の風が強く吹き、その風に乗って邪気が家の中に侵入してくるからです。
トイレは腐敗や悪臭を伴う「不浄」の場所なので、家の中のどの方位にも適しませんが、最も避けたいのは、土のエネルギーに満ち、水を嫌う北東。しかも、太陽が差し込みにくいので冬は冷え冷えとして、暖かい部屋からそこに行くと血圧が急上昇します。
他にも、トイレがあると凶相になる場所がいくつもあります。例えば家の中央。一家の主のための場所であり、そこが常に不浄の気を浴びてしまいます。玄関近くにあるトイレや玄関の真正面にあるトイレも凶相です。玄関から入ってきた気の流れにトイレの不浄の気が混ざり、家の中を巡ってしまいます。家族間のいざこざが絶えなくなり、一家離散の危険すら生まれます。
トイレが1階と2階の両方にある家も珍しくありませんが、2階にトイレを作る時は真下に位置する1階の間取りが重要です。真下が玄関だと気の入り口に不浄のエネルギーが流れ落ちることになりますし、真下が寝室だと寝ている人の健康運を下げてしまいます。
建売の戸建てや分譲マンションでは、このような凶相にトイレが配置されていることもあります。トイレは動かせませんので、中の掃除と換気を念入りに行なうことが大切です。
※週刊ポスト2012年9月7日号