近頃の熟年世代は「キャンパス内」ならぬ「(老人)ホーム内恋愛」を大いに楽しんでいる。夜這いやトイレ内Hも日常茶飯事だという。まさに老いてますます盛んなのだが、80代もまだまだ元気だ。農家を営む82歳のX氏は、尋常小学校時代の初恋の幼なじみと遂に想いを遂げた。
「長年、ただのご近所さんだったんだけど、Yちゃんの旦那が亡くなって、関係が変わった。久しぶりに会ったYちゃんは、なんだか小さくなっちゃってね。『俺がなんとかしてやらなくちゃ』って、思っちゃった。それから毎晩電話よ」
両家は自転車で20分の距離。X氏は夜ごと通うようになったが、近所に住むYさんの親戚に見つかり、「もう来ないでくれ」と釘を刺されてしまう。しかしX氏の気持ちは募るばかりだった。
「夜になると、どうもムズムズしていかん。それをいうと、Yちゃんはすごく楽しそうに笑うんだ。こりゃ脈があるぞと、近所の温泉に誘ったら『車酔いするから遠出はダメ』だって。断わられたけど、『でも、○日の夜なら、私の家へ来てもいいよ』と応じてくれた」
決戦の夜、X氏は新しい猿股をおろした。
「朝のうちから、鰻食ってね(笑い)。いざとなると『10年ぶりでカラカラだ』って、Yちゃんが痛がってな。最初は入るに入れなかったけど、次には半分くらいまで。でも年寄りは、あちこちペタペタ撫で合っているだけで、気持ちがいいんだ。安心するんだよ」
目下の悩みは、Yさんが近所の親戚や娘の目を気にして、なかなか家に上げてくれないことだという。
※週刊ポスト2012年9月7日号