芸能

吉田豪×米良美一 きっかけは「男と女と男で結婚したい」

米良美一が吉田豪に自らの性を打ち明ける

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子といった様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。ここでは8月31日に配信された29号より「吉田豪の今週のオピニオン」の一部を公開する。

 * * *

 世界的なカウンターテナーとして活躍し、ジブリ映画『もののけ姫』の主題歌のヒットで一躍時の人となった米良美一が今、バラエティー番組で躍動している。お笑い芸人たちと共に嬉々としてはしゃぐ姿を誰が想像しただろうか。あのプライドの高い米良に何があったのか。障害、恋愛、スキャンダル…プロインタビュアー・吉田豪の前ですべてを語った。

──『もののけ姫』でブレイクした後の不遇な期間はしんどかったでしょうけど、それがプラスになった部分もありますよね。

米良:それはもう、その通りですね。やっぱり痛い目を見ないとわからないんですよ、私は特に。痛いことを言われて初めて考える。それまでは逃げるんですよ。あとは言い訳ばっかり腹の中でして。なんとか自分が悪者にならないように、自分はどちらかというと被害者でいたいっていう癖がついてるみたいで、悪いのは全部自分以外の外に原因があるというふうにして。

──でも、みんなそういう部分は持ってると思いますよ。

米良:ああ、人間はね。そう思います。

──なるべくなら自分を責めないでおきたいんですけど、でもそうしない限りは変われないんですよね。

米良:そうなんですよ。やっぱり、いま私は講演会なんかしてても「ホントに根性が悪いんですよ」とか言いすぎたりするんですけど、それも自分を自虐的に落としたいんじゃなくて、もっとよく変わりたいんだと思うんですよね。ただ、これから先は自分を反省する発言ばっかりしてもあんまり意味がないので、それはそれとして、これから自覚を持って生きていかないといけない。テレビとかマスコミの媒体に乗る仕事ですから、影響力がありますしね。

──もともとかなりマスコミを警戒してる部分があったわけですよね。

米良:昔はもう勝手に怯えてたわけですから、『週刊ポスト』さんなんていったらもう絶対「ちょっとご遠慮いたします」みたいな。そういう失礼なヤツでしたね。でも、数年前に『東京スポーツ』さんの取材を受けてから、ちょっと考え方が変わって。

──あ、『東スポ』きっかけだったんですか! 何があったんですか?

米良:見出しが「僕は男と女と男で結婚したい」みたいな。

──ダハハハハ! なるほど(笑)。

米良:要するに、みんなと結婚したいっていう、そういうネタで。

──そういう部分を出して大丈夫になったっていうことですよね。

米良:ちょうど、自著『天使の声~生きながら生まれ変わる』(大和書房)が出たときのプロモーションとして出たんですけど。

──もともとバイセクシャル的な部分があるとは言っていたけれど、そこもアンタッチャブルな感じでしたからね。

米良:そうですね。この本の頃よりももっと、性に関しても自分の中で、年齢的なものもあると思うんですけど、いまは性に対する欲求がなくなりまして。だから、しゃべれるようになりました。いやらしいことを裏でしたいと思わなくなったし、もうないとは悲しいから言いたくないんですけど(笑)。

──そこを失いたくはないですからね(笑)。

米良:うん。ただ、もっと大事な愛情がわかってきたというか。いままでは性に関しても恋愛にしても、そういうものって全部自分にとっての慰めものみたいな。だから相手を見てないし、何もそこに意味を持ってなかったんですね、僕自身。

──あまりにも外見重視だったとか、一時期反省してましたよね。

米良:だから結局それも相手を見てるわけじゃなくて、自己投影ですよね。こうだったらいいなっていう。ところが実際そういう人とコミュニケーションしてみて、じゃあ精神的に満足するのかっていうと、まったくしないじゃないですか。

──外見に恵まれてる人は、意外と中身が磨かれてないことも多いですからね。

米良:そうですね。そうじゃない方もいるかもしれないけど、美しいものは眺めるぐらいにしておいたほうがいいというか。そういう意味で僕自身、お客様に対しても、家族に対しても、スタッフさんに対しても、お仕事でめぐり合う方に対しても、性の対象になる人であれ、恋愛の対象になる人であれ、見ちゃいなかったんですね、いまから思うと。だから結局、誰ともつながってなくて、すっごい孤独になって。

■撮影/林鉱輝

※メルマガNEWSポストセブン29号

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