ビジネス

“買ってはいけない株” 電力やソーシャルゲーム株等あがる

 欧州債務危機の再燃や米国景気の回復の遅れ、それを背景とした円高の加速などの要因で、日本株も苦しい展開が続いている。そうしたなかで、どんな投資戦略をとるべきか。カブ知恵代表取締役・藤井英敏氏が解説する。

 * * *
 全体相場がこれからよくなるのであれば、叩き売られて安くなっている主力大型株のリバウンドを狙う手も悪くない。しかし、全体相場が悪くなる可能性が高いと予測される今のような状況下では、外国人投資家にさらに売られる懸念のある大型株は買わない方が得策だ。

 現在の相場環境を考えると、買ってはいけない株と買っていい株がはっきり見極めやすい状況になっている。ただし、買っていい株というのは、圧倒的に数が少ないのが現状だ。まず、円高が止まらない限り、輸出関連などの外需株、特に電機・ハイテク株はアンタッチャブルだ。地域独占まで崩れそうな電力株、コンプガチャ問題でミソをつけたソーシャルゲーム関連株も買ってはいけない。

 一方、買っていい株とはどんな銘柄か。「政策に売りなし」という相場格言があるように、政府が肝煎りで進めようとしている政策に関連した企業は、相場の主役になって値上がりする可能性が高い。

 7月31日、日本政府は2020年までの成長戦略を盛った「日本再生戦略」を閣議決定した。その中で重点的に予算を配分すると決められた医療・介護、環境・エネルギー、農林水産業の3分野が筆頭格に挙げられる。

 ただし、環境・エネルギーは、地球温暖化やエコをテーマにすでに大きな相場をやってしまっていて、マーケットは飽きている。農林水産業は銘柄が少ない上に、政策の具体的ビジョンが見えないので物色しにくい。したがって、マーケット的に一番期待できるのは、医療・介護ということになる。

 仮に政権交代で見直しがあっても、今後も少子高齢化は加速するので、この分野には大きな資金流入が期待でき、株価の上昇余地も大きいと思われる。もちろん、銘柄の絞り込みは必要で、医療・介護関連でもインデックス売買の悪影響が考えられる時価総額の大きな銘柄は避けた方が無難だ。

 時価総額が1000億円以下、さらにいえば500億円以下の小型株から銘柄を探すのが最も望ましい。それから、業績面をチェックして、足下は黒字で利益成長が続いているものを選べばいいだろう。ただし、バイオ関連は赤字決算でも問題ない。

※マネーポスト2012年秋号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン