最近は芸能界で「年の差婚」がブームだ。若い女性が20~30歳年上の男性と結婚する現象が目立つ一方、若者同士の結婚は悲惨な状況にある。かつて当たり前だった「結婚」は、今日の若者には実現性の低い“夢”になりつつある。その原因はどこにあるのか。ジャーナリストの白河桃子氏が指摘する。
* * *
日本では非婚・晩婚化が進んでいます。実際それはどの程度なのか、まずはデータで確認しておきましょう。
国勢調査(2010年)によると、25~29歳の女性の約6割、男性は約7割が未婚で、この数字は一貫して増加傾向にあります。30~34歳、35~39歳の未婚率の数字も同様です。
これは、バブル崩壊後の1990年以降に顕著な傾向です。原因として考えられるのは、「草食系男子」「女のおひとりさま」が増えたから、といったものではありません。
内閣府の「結婚・家族形成に関する調査」(2011年)によると、「すぐにでも結婚したい」「2~3年以内に結婚したい」「いずれは結婚したい」を合わせると、20~30代の未婚者のうち男性は約83%、女性は約90%が「結婚したい」と回答しました。過去の類似する調査を見ても、結婚を希望する若者の割合はほとんど減っていません。
つまり、「結婚したくない若者」が増えたのではなく、「結婚したいけれど、できない若者」が増えたのです。
※SAPIO2012年9月19日号