食欲の秋。とにかく、おいしい食材に溢れる秋だが、そのなかでも定番のひとつがかぼちゃ。88才の料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さんが、かぼちゃの煮ものの、簡単な作り方を伝授する。
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秋のかぼちゃは、ぜひ味わっていただきたい定番のおふくろの味です。かぼちゃの煮ものといいますと、たいていのかたは食べるのは「大好き」、作るのは「面倒くさい」とおっしゃいます。私はいつも、「あんなに簡単でおいしいものがどうして?」と、不思議に思うのです。
ばぁばの料理法はいたってシンプル。一気に強火で炊き上げるのがコツです。
かぼちゃ1/2個(約600g)は、種とわたをきれいに取り除いてひと口大に切り、皮をところどころむきます。できれば面取り(切った野菜の角を薄くそぎ取ること。煮崩れを防ぐ)をなさってください。
すぐに水に放し、ざるに取ってよく水けを切って鍋に入れ、かぼちゃの角がすこぅし顔を覗かせるぐらい、ひたひたより少なめの水を注ぎます。そこへ砂糖を大さじ6、薄口しょうゆ大さじ1を入れまして、強火で煮始めます(強火、が肝要です。ここは強気でまいりますよ)。
汁けがだいぶ少なくなりましたら中火にし、最後にもう1度強火にして汁けを飛ばし、即、バットにあけて冷ましてできあがりです。
簡単でございましょう? 水を入れすぎないこと、弱火にしないこと。すると煮崩れせず、ほくほくとおいしいかぼちゃの煮ものになります。食卓を美しい秋色で彩ってくれますよ。
※女性セブン2012年10月11日号