「ノンアルコールビール」はすっかりひとつの市場を形成したといえるが、女性を取り込んだのが、「ノンアルコールカクテル」だ。
アサヒビールが2010年9月に発売したカクテルテイスト清涼飲料「アサヒ ダブルゼロカクテル」は、ジュースに“お酒らしさ”を兼ね備えた商品として、大人の女性を中心に人気を獲得し、新たな市場を構築してきた。そして今年9月で「ダブルゼロカクテル」の発売3年目を迎えた同社は、商品のネーミングを「アサヒ ゼロカク」に刷新。それまでのカシスオレンジテイスト、シャルドネスパークリングテイスト、ジントニックテイストに、新しくラムコーラテイストを追加し、ラインナップをより豊富にした。
アサヒビール以外にも、サントリーが「のんある気分」、キリンが「ノンアルコール・チューハイ ゼロハイ」、そしてサッポロは「すっきり果実のZERO」を展開するなど、ノンアルコールカクテル市場が盛況であることがうかがえる。
これは“家飲み”をする男性の増加と無関係ではなさそうだ。
新生銀行が24日に発表した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」によると、今年のサラリーマンの1回の飲み代は平均で2869円と、30年間で史上最低をマーク。外食回数や飲みに行く回数は減っている一方で、「家飲みをしない」という人は少ないことから、「家飲み」をする人が定着していると分析する。
「夫が家飲みをする横で、付き合いとしてノンアルコールカクテルを飲むようになった。何も飲まないよりも雰囲気を壊さないで済む」(20代女性)
「ジュースはたくさん飲めないし、カロリーも気になるけれど、ノンアルコールカクテルなら、チューハイ気分で飲める。アルコールが入っていないので、翌朝残るということもなく、朝の家事も安心」(30代女性)
また、男性のお小遣い事情はさておき、女性は“なんとかやりくりして”集まるもの。外食が厳しいなら、家で“女子会”を――と、ママ会、主婦会等々に余念が無い。ビール派だけでなく、カクテル派の女性たちも確実に取り込んだノンアルコールカクテル。後の家事が億劫になる心配をせずに楽しめるのも魅力だ。
「ノンアルコールカクテルで、ママ会をすることが増えました(笑)」(30代女性)
ノンアルコール市場は、女性たちが集う“場”を確実に増やしている。