「あれっ? このヒト誰だっけ?」
今回の内閣改造で大臣ポストに就いた新閣僚に対する、国民の本音である。知らないし興味もない。だが、この無名閣僚たちが、これからこの国の舵取りをしていくのは避けられない現実だ。せめて彼らが“どれほど小粒なのか”くらいは把握しておきたい。
今回、もっとも入閣が待望されたのは、間違いなく城島光力(こうりき)・財務相だ。とはいっても、国民ではなく官僚に、である。
「岡田克也氏や前原誠司氏が意欲を見せていたが、財務省が役人のコントロールが利きにくい目立ちたがり屋と変人を敬遠して城島氏に決まった。彼は味の素労組出身で、金融にも財政にも明るくない。安住淳・前財務相のように悪目立ちすることもない」(民主党ベテラン秘書)
財務省内では、「洗脳するのに、菅(直人・元首相)は3か月、野田は3週間、安住は3日かかったが、城島は3時間で充分」との笑い話まで飛び交っている。
あとは財務官僚に任せていれば安泰の身だが、かつては挫折も経験した。2005年郵政選挙に落選したのである。このとき城島氏が心機一転のために取った方策が、「改名」だった。城島事務所の秘書が説明する。
「落選直後に、政治家名を本名の『正光(まさみつ)』から『光力』に変えました。城島が尊敬する少林寺拳法の開祖・宗道臣さんの“力なき正義は無力なり。正義なき力は暴力なり”という名言から取った。城島は落選で、政治では正しく光っているだけではダメだ、力がなければ光ることはできないと気づき、名前を変えたのです」
で、力を得るために縋ったのが国家権力の中枢、財務省だというわけか。
改名によって成功したように思える城島氏だが、姓名鑑定士の禾織吉乃(いねおり・よしの)氏は驚くべき評価を下した。
「城島さんの本名は31画で、『スーパーウルトラ大吉』でした。ところが、改名後の画数は28で、残念ながら『凶』です。これは他人の都合でうまいように利用される『挫折の画数』です」
※週刊ポスト2012年10月19日号