今年のプロ野球界では、金本知憲(阪神)、石井琢朗(広島)、小久保裕紀(ソフトバンク)ら、数々のスター選手が引退を表明し、公式戦最終戦でナインから胴上げされ、ファンとの別れを惜しんだ。しかし、プロの世界は無情だ。戦力外通告を受けて、ひっそりと引退していく選手も多い。
通算105勝をあげた横浜DeNA・清水直行(36)は、今季1勝もできなかったが、このままユニホームを脱ぐ可能性も十分あり得る。清水はこう唇をかんだ。
「2009年に交換トレードで横浜に来てから毎オフごとに球団身売りの話が出て、不安な状態で野球をやっていた。怪我さえなければ、まだやれるんですが……」
清水はひざの手術の影響で、マウンドに立つこともままならない。最近、野球のルールを理解し始めた小学生の長男とのキャッチボールをしているが、これが二人だけの“引退式”となる可能性もある。
とはいえ、清水はまだあきらめているわけではない。ポストシーズン終了後には、ヤクルトが清水の入団テストを行なうとも報じられており、現役続行へ一縷の望みを託す。
※週刊ポスト2012年10月26日号