中国に抜かれたとはいえ、世界3位のGDPを誇る日本。経団連21世紀政策研究所のシミュレーションによれば、2050年には2010年の規模を下回り、インドに抜かれて第4位に転落。経済規模も中国・米国の6分の1、インドの3分の1以下になるという。
さらに悲観シナリオでは、ブラジル、ロシア、イギリスなどにも抜かれて世界9位、規模では中国・米国の8分の1になるとの予測もある。
「グローバルスタンダードの流れにのって、国内での経済格差はますます広がっていく。それは結婚格差ともなって現われます」
というのは経済アナリストの森永卓郎氏だ。
現在、30~34歳男性の非婚率は50%に達し、男性の生涯未婚率も20%近い。国立社会保障・人口問題研究所が行なった独身者調査によると、結婚の障害のトップは男女共に「結婚資金」。格差が広がれば、貧しい層はますます結婚できないことになりそうだ。
「労働政策研究・研修機構が2002年の就業構造基本調査を再集計し、年収別の結婚率を調べたところ、年収1000万円以上の場合は20代後半で70%以上結婚していましたが、それ以下の人は年収額に応じてきれいに結婚率が下がっていて、200万~400万円のゾーンの人は5人に1人しか結婚していませんでした」(前出・森永氏)
日本の経済力が低下すれば、当然、低所得層も増えていく。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」によれば、男性の生涯未婚率は2030年には29.5%に達する。この上昇傾向がその後も続くと仮定すると、2050年には何と4割以上が1度も結婚できないことになりそうだ。
さらに同研究所の「結婚と出産に関する全国調査」によれば、未婚の30~34歳男性の4人に1人は童貞という結果が。経済格差はそのままセックス格差につながっている。
「今の若い人たちは風俗にすら行かないので、ラブドールなどでしか性処理ができない“人間童貞”が増える。日本の人工知能やロボット技術を融合すれば“恋人型人工知能ロボット”ができ、近い将来には彼女たちがセックスの相手になる。この傾向は世界でも強まるでしょうから、2050年には最新鋭ラブドールが日本の主力輸出産業になる可能性もあります」(前出・森永氏)
※週刊ポスト2012年11月2日号