フジテレビ系バラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏。このほど『脳をこう使えば ボケない、太らない』(小学館)を上梓したが、その澤口氏に女性の脳について聞いた。
——―女性の脳について教えてください。
「なかなかいい質問です。脳は男性と女性で差があり、各脳領域の大きさや形に違いがあります。まず男性脳についていえば、男性脳は未来志向的で感情に流されにくく、理性的です。また、日、月、年単位で計画を立てて行動しようとする傾向があります。
一方、女性脳は男性脳より感情的で、また予定を乱されてもそれほど気にしない傾向があります。それは子育てで訓練されてきた歴史があるからと考えられています。赤ちゃんが泣きだしたらそれに共感して、予定を変えてでも子供の世話を優先してきたからでしょう。
そして実は、脳全体の約80%は(研究者によっては50%)、男性脳より女性脳のほうが発達しているんです。つまり、女性のほうがそれだけ頭がいいということもできます」
——―女性のほうが男性より優れている!?
「もちろん、弱点もあります。例えば女性には男性より方向音痴の人が多いということ」
——―私も、すっごい方向音痴です。
「人類は果実や木の実を採集し(採集者=ギャザラー)、肉(獲物)を狩猟して(狩猟者=ハンター)暮らしてきました。女性は主にギャザラーで、住居の周囲の見知ったランドマーク(目印)を使って自分の位置や進む方向を決めることが多かった。
一方、ハンターである男性は、獲物を追って見知らぬ土地に出かけるために、頭の中に地図を持つ必要がありました。そうした進化の過程があるため、見知らぬ土地で方向を見失う女性が多いのです。
気をつけたいのは、方向音痴の程度は老化の指標でもあること。年齢とともにランドマークを覚える能力が低下するためです。ですから、見知らぬ土地に旅に出て、新しいランドマークを覚え、方向音痴を解消しようと努力することは、老化の防止につながるといえるのです」
※女性セブン2012年11月15 日号