3万6000部を売り上げるカードゲーム『ケミストリークエスト』を開発した米山維斗くん(13才)。2011年7月にカードゲームを発売するケミストリー・クエスト株式会社を設立し、日本最年少の小学6年生で社長に就任した。
「戦うようなゲームばっかりだったので、小学校3年生のときに自分でそういうものじゃないのを作ろうと、相手を仲間に入れるというゲームを思いつきました」(米山くん・以下同)
水素、炭素、酸素、窒素の元素の組み合わせでカードを取り合って分子を作り、最終的に持っているカードの枚数で勝敗が決まる。何だか難しそうだが、先入観のない子供たちはすんなりゲームに入り込んでいくのだという。
「小学生の子供たちは元素がわからなくても、できた!ってやってますよ。小学校のときにゲームとして遊んだら、それは中学校で役立つものなんです」
9月末にはiPhone用のアプリもリリースされ、海外からのダウンロードが3割を占める。ゲームのアイデアを書き留めたメモやノートなどはないのかと聞いてみると、「ありませんよ」ときっぱり。「頭の中にあるものを、全部しゃべって出すタイプで」(母)と、情報をインプットした後に、しゃべることで頭の中を整理するという。
「公園などで話を聞いてくれる大人がいると、つかまえて話し込んでました」(母)
学校の成績はというと、やはり理数系がずば抜けているそう。それに比べて国語は人並みだというが、3才の頃からバイオリンを習っていたりと興味は幅広い。
そんな彼が最近ハマっているのが、“京王電鉄”。パソコンを開いて、たくさんの写真や動画、さらには自分で考えたという“複々線化”の計画図を見せてくれた。今後の展望は、「カードゲームを国際的な大会、世界大会を開けるようなものにしていきたいですね」
カードゲームの売り上げは、当面は開発資金の回収、そして学費や将来の研究費に使いたいと堅実的な社長。現在は来年3月発売に向けて、新しいゲームの企画を進行中。アイディアはまだまだわき出してくる。
※女性セブン2012年11月15日号