韓国における昨年1年間の強姦発生件数は1万9498件で年々増えている。人口10万人当たりでは39.2件で、なんと日本(0.9件)の40倍以上である。
通常、国が発展すれば性犯罪や粗暴犯罪は減るものだ。例えば日本では、強姦の件数は1964年に6857件とピークを迎えた後、1990年には1548件まで激減した(2011年は1185件)。そうした傾向は他の先進国の犯罪史にも共通している。その点で韓国は特別であり、あるいはまだ先進国の一角を占めるだけの「成長」を遂げていないのかもしれない。
韓国で特に深刻なのは、児童らを狙った性犯罪の急増だ。韓国警察庁が発行した『2011犯罪統計』によれば、昨年、児童・青少年が被害を受けた件数は2054件で、2007年(857件)の2.4倍と、わずか4年で倍増している。
また、韓国政府機関の女性家族部が2010年に発表した統計では、2008年、韓国の児童人口10万人当たりの性犯罪発生件数は16.9件。これはドイツ(115.2件)、イギリス(101.5件)、アメリカ(59.4件)に次いで世界4位、アジアでは1位となっている。
今年8月には、韓国南部の羅州市で自宅で寝ていた7歳女児が布団ごと男に連れ去られ、性的暴行を受けた。7月には、性犯罪の前歴者が登校途中の10歳女児を性的暴行目的で連れ去り殺害する事件が起きている。
※SAPIO2012年12月号