11月9日、クリネックススタジアム宮城で行なわれたプロ野球の合同トライアウト。参加した56選手のなかで、もっとも悔いを残したのは川島亮(前楽天、31歳)ではないだろうか。
2003年秋、自由枠で八戸大学からヤクルトに入団。翌2004年には、10勝で新人王に輝いた。2005年も9勝を挙げるが、終盤に右肩痛で離脱。その影響もあり、翌年はわずか9試合の登板に終わる。2008年には7勝を挙げ、復活の兆しを見せるが、徐々に登板機会が減り、今年から楽天に移籍。大学時代を過ごした東北で再起を賭けたが、1軍登板なしで解雇通告を受けた。
トライアウトでは、場内アナウンスで『ピッチャー・川島』とコールされると、地元ファンから暖かい拍手で迎えられた。
だが、1番目の打者橋本将(元横浜、前愛媛マンダリンパイレーツ)に対しては、すべてストレートで押したが、ボール2つの後にファールを1つ挟んで、四球(トライアウトはカウント1-1から始まるため)。続く、渡辺正人(前ロッテ)には3球ともストライクが入らず、ストレートの四球。明らかにボールとわかる高めに浮いた球の連続で、スタンドからは「何なんだ」と先ほどの拍手から一転、どよめきが起こった。
続く古木克明(元オリックス)に対しても、四球で3連続四球。観客からは、「あぁ~~」と大きなため息が漏れた。
ラストの桜井広大(元阪神、前香川オリーブガイナーズ)には、三塁正面に強い当たりを打たれ、市川卓(前日本ハム)が後逸。
打者4人に対し、ほぼストレートで押したが、最速137キロとかつてのスピードボールは見られず、ボールもほとんど明らかにコースを外れており、かつての面影は見られなかった。
21日には、千葉・鎌ヶ谷で第2回合同トライアウトが行われる。この日、川島亮が現役を続けられるか否かが決まる。