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眠りの浅深読む「ねむり時間計」翌日に疲れが残らない例も

 3月18日が「世界睡眠の日」になったのは昨年のこと。近年は睡眠関連の学会では、睡眠と生活習慣病、睡眠と肥満、糖尿病に関わる研究発表が相次いでいることが背景にある。

 古来、「寝る子は育つ」といい継がれてきたが、大人の世界でも「睡眠」を科学することへのニーズと関心は高まっていた。

 このジャンルで先駆的な製品を開発しているのがオムロンヘルスケアだ。今年、4月に発売された『ねむり時間計』は、枕元に置くだけで、内蔵された加速度センサーが、入眠時間を計測、さらに睡眠中の体動を捉えて、眠りの浅深を読み取ることができるのだ。

 主力製品の家庭用血圧計を、世界で1億台以上も売り上げた「健康」のトップメーカーならではの新製品は、当初想定していた若い女性のみならず、30~40代男性にも幅広く受け入れられたのである。

 現代人で眠りに関して悩みを抱える人の多くは、その体内時計が乱れていることに原因がある。体内時計とは、生体リズムを司るもので、睡眠や血圧、体温などの変動のリズムを整える働きを持つ。

 ずれてしまった体内時計は、本来であれば、太陽光を浴びることでリセットされるのだが、液晶テレビやパソコン、携帯電話、スマートフォンなどの画面から発せられるブルーライトなどを長時間浴びることで、リセットを妨げるばかりか、覚醒させているといわれている。眠りの不安は現代病でもあるのだ。

『眠り時間計』は睡眠時間を管理することによって体内時計正常化のサポートをするわけだ。

 機能はそれだけではない。「スッキリアラーム」機能は、あらかじめセットした起床時間より30分前までに、センサーが体の動きを検知するとアラームを鳴らす。意識の起床に合わせて目覚めやすいタイミングを計ってくれるのだ。

 ある50代の男性ユーザーの話を聞いた。ユーザーは『ねむり時間計』を使って、自分の睡眠の深さにムラがあることに気づいたという。そこで毎晩の習慣となっている晩酌の時間を少し早め、就寝前に飲み過ぎず、自然に眠れるよう心がける“対策”を講じたという。

 その結果、目覚めがよく翌日まで疲れが残らないようになったという。「睡眠の見える化」は新たな価値を商品とサービスの双方で具現化しようとしている。

●取材・構成/中沢雄二

※週刊ポスト2012年11月23日号

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