野田佳彦首相が解散総選挙に打って出たことで、泥船・民主党では、早くも集団離党に向けた動きが始まった。離党を表明した山田正彦・元農水相ら以外にも、「日本維新の会」や「みどりの風」入りを希望する1年生議員もいる。
しかし、そうした迷える議員たちを一層奈落へ突き落とす情報が駆け巡った。
「野田首相が一部の閣僚や側近を比例名簿上位に置いて救済しようとしている。その1人が藤村修・官房長官。選挙区が大阪で維新の会候補に苦戦必至の藤村氏が解散を受け入れたのは、比例上位のお墨付を得ているからだと見られている。そんな不公平を認めるとは考えたくないが、比例順位が発表されるのは公示日だから、それから怒って離党しても路頭に迷うだけになる」(中間派議員)
そうなれば新人議員たちは比例復活という最後の望みさえ断たれることになる。
どうせ負けるならと、引退を決める議員も続出する。
「負ける選挙にカネをかけても仕方がない。中には、『離党しない』と選挙に出る構えだけ見せて執行部から支部交付金や活動費をもらい、秘書を減らして地元での選挙活動をほとんどしないで貯め込み、最後は不出馬で退職金代わりにしようとしている議員もいる」(民主党ベテラン秘書)
※週刊ポスト2012年11月30日号