夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、電算機メーカー勤務のご主人(43歳)。奥様(43歳)との間には中学生と小学生の息子さんがいます。
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隣の奥さんがちょっとズレているんです。下の子同士が同じクラスになり、父母会の時、女房が「子供のことで連絡を取り合うには電話が便利」と思い、隣の奥さんに「携帯電話の番号を交換しません?」といったらしいんです。すると、「それは困ります。私、この番号を気に入ってますから」と奥さん。女房の奴、「交換って、番号を取り換えるんじゃなくて、教え合うこと!」とつっこみたいのをグッと我慢したそう。
我が家では庭に木を植えたり、家庭菜園をやっていて、先日はヒヤシンスやアネモネの球根を夫婦で植えたんですが、隣の奥さんと息子さんが覗き込んでいて、女房が息子さんに「これはね、球根なの。花の名前はプロポーズ(求婚)」と冗談をいうと、奥さんが「そうなのよ」と同調。
ジョークをわかってくれたと思ったら、その夜、奥さんが家に来て、「主人に笑われたじゃないですか! 子供の教育によくないから、ウソを教えないでください!」と怒鳴られてしまいました。
なるべく関わり合いにならないようにしてるんですが、子供って何にでも興味があるのか、この前も「この木、なんていうんですか?」と聞いてきたので、「金木犀だよ」と答えると、それを聞きつけた奥さんが飛んできて、「子供にイヤラシイこと教えないでくださいよ、『キンも臭え』なんて!」ですって。
こちらは口アングリ。「キンセンカも誤解させるからダメか」「チンゲン菜も教えられないわね」女房と確認し合う毎日です。
※週刊ポスト2012年11月30日号