書店に来年の手帳が並ぶ時期になった。デジタル手帳に惹かれながらも、紙から離れられないひともいる。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏の手帳選びの考え方を説く。
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日経トレンディ2012年11月号によると、現在、手帳を使っているユーザーの59%が、従来からある紙の手帳と、グーグルカレンダーやスマホのアプリなどのデジタル手帳を併用していることが分かりました。
実際、ここ数年でスマートフォンが劇的に普及。各社の最新携帯はほぼ全てスマートフォンですからね。これが「デジタル手帳」の普及を進めていると言ってもいいでしょう。デジタル手帳は、他の人と予定を共有できますし、アプリによってはFacebookのイベント情報と連動することもできて便利ですね。
でも、どちらか一つにしぼりこまない理由はなんでしょう? ずばり、併用することでそれぞれの弱点を保管しあっているのではないかと思います。私も併用派なのですが、そうしている理由は電池や電波の心配をしたくないこと、中長期の予定をぱっと見るのは紙の方が便利であること、すぐにメモを取れるなどの点で紙の手帳は外せませんね。
私の場合、紙の手帳は「予定とto doの管理」という実にベーシックな使い方をしているわけですが、その他に「目標管理」「記録」という機能を期待している人もいるわけです。その点においては紙の手帳は便利ですね。
毎年、手帳をどうするかということはビジネスパーソンの悩みの種ですよね。自分磨き雑誌『日経ビジネスアソシエ』などでも、手帳特集の号はバカ売れするとか。同誌で過去最高に売れた号は2007年の手帳特集だったと記憶しています。いや、私も意識の高いビジネスパーソン(笑)だった頃は、同誌を読んで毎年、考えていたわけですが・・・。
大胆なことを言いますが、人の手帳の使い方は参考にしかなりません。まずは自分の今の業務分析、これからのライフスタイル、ワークススタイルを考える。また、社内のグループウェアや公式手帳など「使わざるを得ないツール」を確認した上で、今あるものを使い倒した方が早いと思います。手帳はあくまで、人生を、仕事を加速するツールです。これに振り回されるのも違うと思うのですね。手帳選びに迷っている時間があったら、今のツールの活用法を考えつつ、まずは仕事をしろ、と。
人の手帳話や、新しい手帳なんていうものはあくまで参考にするべきであって、自分なりの使い方こそ大事にするべきです。あるいは、いま、時間管理などで不満を感じていることがあったら、それを解決するものを利用するべきでしょう。
「人の手帳話なんて関係ない」と言いつつ、私の手帳話をすると、私はここ数年ずっと能率手帳だったのですが、いまは、グーグルカレンダー+能率手帳です。グーグルカレンダーは移動中に見るのに便利ですし、携帯にアラームを送ってくれますし、家族と共有できるのがいいですね。ただ、打ち合わせ中にメモをとったりするのに便利ですし、電波も電池も気にならないので、紙の手帳も併用しています。毎日、両方を見比べて同期するのですけど、そこで自分の予定を再確認できますし、思考を整理しています。同期は面倒くさいという人もいるでしょうけど、あえてここは考えを整理するために面倒くさくしています。
そうそう、去年までは小さめの能率手帳だったのですが、今年から大きめのものに変えました。日経ビジネスアソシエとのコラボモデルです。なんでも、今年は併用する人が多いので、売れ筋は大きめの手帳だとか。いつの間にか時代の波にのってますね。
手帳を考えることは、生き方、働き方を考えることでもあります。とはいえ、そこにハマりすぎずに、まずは目の前の仕事のことを考える。そのために最適なツールを選ぶようにしましょう。