漫才コンビ「春やすこ・けいこ」として、上方漫才大賞新人賞など数々の賞を受賞し、漫才ブーム時代には、セミヌードで抜群のプロポーションを披露するなど、美人女芸人の先駆けだったタレント・春やすこ(51才)。
現在芸人としてだけでなく女優としても活動。さらに、働きながら子育てをする女性の生き方についての講演会も多数行っている。しかしその一方で彼女は、両親の自宅介護と向き合う日々を送っていた。母(76才)は自分で歩けるものの要介護認定3。父(80才)は2年前から、完全寝たきりの要介護認定5だ。
その彼女が今回、語ることのなかった両親介護の実態を語ってくれた。
毎朝6時に起床するという春の一日は、父のおむつ替えから始まる。それが終わると家族全員の食事作り。寝たままだと誤嚥のおそれがあるため、まずは父をベッドから車椅子に移さなければならない。
朝食後は両親の着替えを手伝い、再びベッドへ移す。その後も片付けに洗濯、そして休むことなく、11時半には昼食作りが始まる。
「夕方5時頃には夕食の準備をしなくてはいけません。でも、その間も、3時間おきにおむつ替えをしなくてはならない。うんちの後はおしりをきれいにふくから刺激されちゃうのか、替えた後にまたすぐにうんちしちゃうこともあります。
本当に休む間もありませんよ。でも、真面目にやろうと思ったら、夜中もおむつ替えをしなきゃいけません。でも、そこまでしてしまったら、こっちがくたびれるので、もう絶対夜の12時までって決めたら、それ以降は朝6時に起きるまで替えない。逆にいえば、夜12時から朝6時までが、私の時間なんですわ」(春・以下同)
春が両親の介護をするうえで何より大事にしていることが、「真面目に介護をしようとしないこと」。
しかしこんなふうに考えられるようになったのは、最近のことだという。
「今年の8月の終わりぐらいですかね、父を抱えて車椅子に乗せる時に腰を痛めたんですよ。痛すぎて動けないし、食欲もなくなるし、10日ぐらいで3㎏も落ちました。そしたらその後はストレスで、ドカ食いするようになって、ブクブク肥えてきて…。それに気づいた周りの友人たちが、私が出られる時間に外に連れ出して、一緒にお酒を飲んでくれたんです。そこで初めて、介護から離れて気を抜くことも必要なんだと気が付いたんです」
※女性セブン2012年11月29日・12月6日号