「日本の株はこれから上がりますよ。今こそ投資のチャンスです」と、きっぱりとした口調で話すのは、さわかみ投信代表取締役会長の澤上篤人さん。さわかみ投信は、純資産2000億円、顧客数11万人。そのトップである澤上さんは、長期投資の大ベテラン。日本株が上がる理由について次のように語る。
「日経平均株価はバブル経済がピークを迎えた1989年末に3万8915円の最高値をつけたが、バブル崩壊とともに下落を続け、今年4月には、1万円割れし、先行きも不透明です。なぜ日本株がバブル期まで急成長を続けたかといえば、理由は日本の企業が国際競争力を高め日本経済も高度成長期であったことと、企業や銀行などが互いに株の持ち合いで、ひたすら株を買い増していったから。
1988年3月末の時点で、東証1部の全発行株数の約55%を企業が持っていた。それが、バブルが崩壊し企業や銀行がどんどん株を売りはじめた結果、これほど株価が下落したんです。
そして今や企業の持ち合い株数は全体のわずか約8%。もう売るものがない。つまり、これ以上下がりようがないんです。41年の投資運用人生で、日本の企業をずっと見てきた私には“これから日本株は上がる”と自信を持って言いきることができます」
私たち、庶民にとって、やっぱり株は株。日本航空の株が、一夜にして紙くずになったことは、記憶に新しい。それでも“買い”なの?
「証券会社に“いまこの株が上がってますよ”と勧められると、つい買ってしまう人が多い。そんな人達が大勢いれば株価は上がるけど、それが途切れると売る人の方が多くなって、株価が下がり“損した”となる。そんな“銭ゲバ投資”ではなく、私がすすめている“企業を応援する投資”を行えば、日本経済が元気になり、結果的に自分の財産づくりもできるということです」
※女性セブン2012年12月13日号