近ごろ話題の「美熟女」あるいは「美魔女」。年令を重ねてもプチ整形などで美しさを保ち、さらにはホルモン補充療法を駆使して若さを保とうとする熟女が増えている。
作家・中村うさぎさん(54才)は美容整形をして、美を追求してきた先駆者的な存在。しかし、49才で閉経し、はたと気づいたことがあるという。
「私は美容整形をしたり、洋服を買いあさったり、自分のナルシシズムを満たすためにやっていると思っていたんです。ところが閉経して性欲がなくなったら、急にアンチエイジングにもオシャレにも気を使わなくなって。男のために白髪を染めていたわけでも化粧をしていたわけでもなかったんですが、やっぱり誰かに見られてこそ、だったんですね。今は家でゲームばかりやっています(笑い)」
そんなうさぎさんから見て、美熟女はどう映るのか。
「私はもうやりたいことをやり尽くして、もう老いに抵抗することを諦めているんですが、彼女たちはそうではない。だから、やるだけやったらいいと思いますね。老化はかつては抗えないものだったけれど、今はそれが自己決定にゆだねられるようになりました。
老化を遅らせる手段ができたというのは、ありがたいことでもある一方、諦めを悪くするものでもある。だけど、それを決めるのは自分自身で、自由に決着をつけられるようになったのはいいことだと思います」
※女性セブン2012年12月20日号