みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、完璧な永代供養について考える。
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自分の墓を建ててもやがてお参りする人はいなくなる――。そういう風に考える人は増えているらしい。そこで人気が出てきているのが、合同墓というやつだ。
ひとつの大きなお墓に、いろんな人のお骨が合祀。一度その墓に埋葬されれば、あとは管理費も不要で無縁仏になることもない。完璧な永代供養だ。
先祖代々の墓を持っていた人も、自分に跡継ぎがいない場合、自分が死んだら、先祖のお骨も合同墓に移す予約をする人もいるらしい。平均的な価格は30万~50万程度とリーズナブルでもある。とある僧侶に聞いた話では、オバサンが大挙してこの合同墓を見学。
「私たち、一緒にこのお墓に入りましょうか?」
なんていって予約をする、いわば「ハカ友」なんていう人たちまで出てきているという。
これ聞いてイイと思った。普通のお墓って親とか親族と入るわけじゃない。それも悪いことではないと思うけど、親族と酒飲むより、仲のいい友達と酒飲んだ方が面白いじゃん。友達とだったら楽しくエロ話もできるけど、親とはできないでしょ?
そんなエロ話をできるほど仲いいヤツと同じ墓に入る。コレはいいじゃない。いい年になってまで仲良かった友達がいるのに、死んだ途端バラバラになってそれぞれ先祖代々の墓に入るって寂しいじゃない?
ほら、あの世にいった時もさ、仲のいい友達と一緒だと思ったら心強いじゃん。私の場合なら、遺骨の半分は親の買った京都の墓に入れるとしても、残りは友達と合同墓。これは候補にしておきたい。
※週刊ポスト2013年1月1・11日号