消費不況の煽りを受け、外食産業は低迷期をさまよっている。それでも話題のレストラン、行列店がオープンしたと聞けば、長時間でも並ぶほど「食へのこだわり」を見せるのが日本人。2013年はどんなジャンルの料理や店が流行るのだろうか。
飲食業界のニュースサイト『フードスタジアム』編集長の佐藤こうぞう氏に、行列必至、ブレイク直前の人気店を挙げてもらった。
■高級食材が安い“ハイカジ”路線
まずは、「ハイクオリティなんだけど、値段はカジュアル」というハイクオリティカジュアル(ハイカジ)なレストラン。
2012年、フォアグラやオマール海老、トリュフ、キャビアなどの高級食材を使った料理を低価格で出す、大ブレイクした【俺のフレンチ】【俺のイタリアン】はさらに店を増やしそうだし、どの店も行列必至。このグループが、1月7日【俺のやきとり】を、さらに3月には【俺の割烹】をオープン予定で、話題間違いなし。「俺の~」シリーズに引き続き注目。
ハイカジ路線では、蟹や海老、ふぐ、アワビなどの高級食材、甲殻類、貝類などを安く出す店もたくさん出てきそう。
大手町にオープンした【Bistro エビキング】、中目黒の【クラブハウスエニ/Crab House Eni】は、オマールえびが売り。【エビキング】のオマール海老のロースト、【エニ】のオマール海老の刺身は絶品。
大阪で20店舗を超える展開をしている【浜焼き わい家】は、魚介類を浜焼きで出すスタイルだが、オール300円均一。300円ではまぐりのつかみどりや、限定品だが「300円伊勢海老」などもある。
仙台の【石巻港 津田鮮魚店】ではバケツ一杯の「牡蠣のバケツ蒸し」を980円で提供。こうした「突き抜けた高価値と低価格とのギャップ」を楽しめる店がブレイクする。
■話題の熟成肉をカジュアルな値段で食す
肉では、かつての霜降りから赤肉にトレンドは変化。とくに最近注目されているのが「熟成肉」。エイジングビーフである。かつては高級店でしか出されなかったが、いまやカジュアルに食すことができる店が増えている。
六本木の【キッチンタチキチ 旬熟成】、【ル・プティ・マルシェ】は良質の熟成肉とワインをがぶがぶ飲んでも5000円で済む。前者は山形牛、後者も国産の黒毛和牛を使用している。
渋谷に登場した、その名も【エイジングビーフバル】は立ち飲み専門。熟成肉をよりカジュアルに楽しめるとあって、行列必至である。