自分がいざ死んだとき、残された人たちに迷惑を掛けないよう、希望や意向を書き記しておく“エンディングノート”に、今注目が集まっている。
とはいえその一方で、妻や子には絶対に言えなかった秘密が死後に明らかになり、コツコツと積み上げてきた信頼が地に堕ちることもある。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ」の吉田太一氏は、遺品整理の現場で様々なケースに遭遇するという。
「別居していた父親の部屋から女性の下着や、化粧品が山ほど出てきた。娘さんは『こんな親父、早く死んでくれてよかった』と吐き捨てるように言っていました」
死後に愛人や隠し子の存在が発覚しトラブルになることは多い。生前、その“芽”を見つけ、早めに対処しておくことも必要かもしれない。
他にも生前の本人からは想像できないモノが出てくるケースもある。
「元・小学校の先生というお宅から、1000本を超えるAVが出てきたときは、さすがに遺族の方も絶句していましたね。縁起でもないかもしれませんが、あなたの持ち物がいつ“遺品”になってしまうかは神様以外わかりません。人に知られたくない、見られたくないモノをどうするか、考えておくべきです」(吉田氏)
死は必ず訪れる。そのときどうするか、今から考えておく必要があるだろう。
※週刊ポスト2013年1月18日号