「よくない食べ合わせ」と言えば「梅干しとウナギ」など、食べ物同士を思い浮かべることが多いだろうが、薬と食品にも、危険な飲み合わせがある。
『プロペシア』などの男性型脱毛治療薬にも注意すべき飲み合わせがある。薬剤師で『知らないと怖いクスリと食品の危険な関係!』(マガジンハウス刊)著者の堀美智子氏はこう解説する。
「中高年の頻尿や残尿感、薄毛などによいとされるノコギリヤシの入ったサプリメントとは相性がよくありません。ノコギリヤシの成分が男性ホルモン・ジヒドロテストステロンを生成する酵素の働きを阻害し、効果を弱める恐れがあるので併用は避けるべきでしょう」
また、飲む水虫治療薬にも、食べ合わせてはいけないものがある。池谷医院の池谷敏郎院長(内科医)が説明する。
「爪水虫などを治療する飲む水虫薬には、グリセオフルビンという成分が含まれていますが、脂溶性で油分と相性が悪いんです。油分の多い揚げ物はNG。ベーコンとバターを塗ったトーストの朝食を食べた結果、吐き気や頭痛などの症状を引き起こしたケースもあります。慢性的にこうした食べ合わせを続けた場合、肝機能障害を起こすこともあります」
ちなみにバイアグラのようなED治療薬はどうか?
「血管を広げるアルコール類と併用すると相乗効果で血圧が下がり、失神やめまいなどの原因にもなります。必ず、お酒が抜けてから服用してください」(同前)
※週刊ポスト2013年1月18日号