離婚率が上昇しているが、年を重ねてもいつまでも仲睦まじくいられる夫婦もいる。おしどり夫婦として知られる、勝野洋・キャシー中島夫妻はどのように愛を育んできたのだろうか?
2009年7月、モデル・ジュエリーデザイナーとして活躍していた長女・七奈美さん(享年29)が、肺がんのため亡くなった。大切な娘を失い家族は悲しみを乗り越えようと必死だった。
キャシー:とくにどうやって乗り越えようとかっていう話はしなかったですね。心はみんなひとつでした。だけど、それぞれがちゃんと乗り越えないと、仕事でバラバラになったときに潰れてしまうから。
勝野:ぼくは娘を亡くしてから、自分の生き方をもう一度考え直しました。どうせ向こうに行けば会えるわけですから、娘に会ったときに、親として恥ずかしくないような生き方をしたいなと…。そういう意味では、昔は亭主関白なところもあったけど、今はぼくが妻や子供たちを包み込んであげる、それが男としていちばんのやさしさでもあるし、ぼくにとって人生のテーマです。
キャシー:でもパパ、一時期、家族のなかで孤立していたことがあったよね? 長女やそのお婿さんと家族でワイワイやっていると、パパだけひとりポツンと畳をむしってる感じ。
勝野:あった、あった。なんとなく疎外感を感じてひとり殻に閉じこもっちゃうような。
キャシー:男性は50代半ばを過ぎたあたりで孤立することが多いみたい。なかなか輪のなかに溶け込んでいけないっていうか。私も子供と一緒にからかい半分、面白がったりした部分もあって、反省しました。やっぱり、子供はやがて巣立っていくものですし、家庭の中心に夫をもっていくのは妻しかいないですからね。
勝野:幸い、ぼくの場合は根っから明るい女房のおかげですっと元に戻れましたけどね。
キャシー:もう勝野も63才ですし、今は健康のことがいちばん心配。とくに娘を亡くしてからは病気に対してすごく神経質になって。ちょっと咳をしただけですぐに病院に連れて行くようにしているんです。
勝野:日々の健康は大切だから、少しずつトレーニングをしたり、毎朝、夫婦でウオーキングしているんだよね。往復で1時間。それがすごくお互いにとっていいみたいで、いろんな話ができるようになった。
キャシー:そうね。以前は子供や仕事のことを考えてしまって、ついつい気持ちがよそ見をしていたし、ゆっくり夫婦で話す時間っていうのがなかったかも。夫婦でウオーキングってオススメですよ。
勝野:まだまだ健康と気力を保ってさ、時間を見つけていろんなところにふたりで旅行に行きたいね。
キャシー:ホントに。どちらかの体がいうこときかなくなったときは、介護ケアをしてくれるマンションにでも一緒にはいって、旅の思い出話を楽しもうね。
※女性セブン2013年1月24日号