「東京駅で下車し、観光したいというお客様のご期待に応えられるよう、今後も駅の観光開発を進めていきます」
そう語るのは、JR東日本取締役・東京駅長の梅原康義さんだ。東京の最大の観光スポットはいま、復原された東京駅である。JR東日本は、東京駅を「ステーションシティ」として整備を進めている。そのネーミング通り、東京駅は“街”の魅力が満載されている。
コンコースや地下街に商店が軒を連ねる。ブティックからレストラン、居酒屋、お土産物屋、洋菓子店、そして駅弁屋など、デパートも顔負けだ。なかでも駅弁はさすが。デパ地下に匹敵どころか、わざわざ夕食のお惣菜目当てに訪れる人がいるほどの充実ぶりだ。
この8月にオープンした中央コンコース真ん中あたりの「駅弁屋祭」は、覗くだけでも楽しい。11月のある日曜日、午前10時過ぎだというのに、店内はすでに超満員だ。飛ぶように売れるとはこのことかと目を見張る。
「北海道から九州まで、有名駅弁を常時170種類以上置いています。1日平均1万個以上、そしてお盆などの最繁忙期には2万個は出ますね」と同店を経営する日本レストランエンタプライズ広報室副部長の泉和夫さんは語る。店内には2つのライブキッチン“駅弁厨房”があり、約2週間のローテーションで、全国から有名駅弁屋の職人さんがやってきて、できたての駅弁を作っているのだ。
※週刊ポスト2013年1月25日号